日本理化学工業(株)訪問見学会

人財委員会・経営者共育委員会・企業力向上委員会の3委員会合同企画として、日本理化学工業(株)の訪問見学会を6月29日(木)に行い16名が参加しました。

日本理化学工業(株)は本社のある川崎工場と美唄工場(北海道・びばい)でチョークを製造しており、社員87名のうち67名が知的障がい者(その半数以上がIQ40以下の重度障がい者)で、製造現場で活躍されています。業界でのシェアは70%を占めているものの、チョークの需要は年々減少しており、その影響を大きく受けています。市場縮小の要因は大きく次の3つが挙げられました。

① 黒板とチョークを使わない授業が増える(DX化)

② コロナ禍による学級閉鎖

③ 少子化による学校・学級数の減少

これに対して、新商品の開発に取り組まれており、新たな用途への展開や市場の開拓を行ってみえます。今回の訪問の際に以下の6点の新商品をご紹介いただきました。

① ダストレスチョーク開発(炭酸カルシューム+ホタテ貝殻粉末)

② 黒板アート用蛍光チョーク

③ 人間工学に基づくプロ(教師)用チョーク(太く長い)

④ 工事現場やお風呂で使える耐水性チョーク

⑤ キットパス (ガラス、鏡、机、壁に書いても水拭きで消える)

*お米のワックスを使用することで口に入れても安心

⑥ キットパス あそボディ (ボディペイント用)

障がい者雇用の取組では、近隣の施設や特別支援学校などからの就労体験の受入れがきっかけとしてスタートされましたが、ボランティア精神ではなく現場に必要な人材として採用をされており、現場での集中力や働く姿勢を見学させていただいて、戦力としてしっかり根付いていました。

大山会長のお話しでは、社員の条件として周りに迷惑をかけないこと(迷惑をかけると帰らせる⇒最初は1週間に1回が2~3週間に1回になることで成長していると考える)や集中力や持続力が職場に必要なことを伝えきる、これを教えることが大切。しかし1人1人理解力がことなるため、1人1人に合わせてしっかりと伝えることを全社員の共通認識とし、「できなかったら、教えた方が悪い」という厳しいルールを敷いています。

そして教えることと合わせて「できる人」と思うことをセットとしています。ついついできないことを見てしまいますが、そうしたレッテルを貼ってしまうとそこで止まってしまう。次の1歩が出るかどうかの差はここにあると、60年の実績からの金言をいただきました。

また伝えることの工夫について、現場を見学させていただく中で、様々な取組をご紹介いただきました。ツールを使ったものや色分けによる工夫など作業によって異なりますが、誰もが見てわかるように作業が組み立てられており、細かな指示書やマニュアルはなく、最低限のものに留まっていました。こうした現場からも1人1人に合わせた伝え方を徹底されており、社員の皆さんも誇りをもって働いてみえる表情もみることができました。

人間の究極の幸せは、「愛されること・褒められること、役に立つこと、必要とされること」であり、働くことで「褒められること・役に立つこと・必要とされること」を実感でき、幸せを感じることできる。1人でも多くの障がい者に働く場を提供できる会社であることを目指す大山会長は、「すべての世代に楽書き文化を!」をテーマに市場へのアプローチを行っており、これが文化になるまで頑張っていくと熱い想いをお話しいただきました。

大山会長をはじめ働く社員皆さまの熱意と想いに触れ、今回参加された方々も大いに学びと刺激を受けた見学会となりました。

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