10月8日(水)18:45よりプラトンホテル四日市にて北勢支部10月例会を開催いたしました。今回は、サンビシモータース(株) 代表取締役 橋本 直也氏より、「モビリティで人生を豊かに。」〜承継者が進める企業変革〜をテーマに、事業承継とそれにあたっての企業変革への取り組みについてご報告いただきました。
創業1952年のサンビシモータース(株)は、二輪・四輪の販売・整備に加え、モトクロスサーキットの運営、さらにはスウェーデンのバイクメーカーの正規代理店開設など、多様な事業を展開されています 。
橋本氏は、代表就任に先立つ2021年4月から事業承継の準備を開始され、企業文化を根本から変えるための具体的な施策を実行されました 。
- 経営指針の刷新と浸透
機能していなかった先代の指針を刷新し、企業としての存在意義と自らが桑名で商いをする意味を明文化されました 。
- MISSION(使命):「モビリティで人生を豊かに。人生のターニングポイントに寄り添う。モビリティの可能性を信じ、世代を超えて、時代を超えて、笑顔の連鎖をつくりだす。」
- VISION(目指す姿):創造、共感、プロ、挑戦を掲げ、「期待を超えるクオリティを提供するワンチームになる」ことを目指す 。
- VALUE(価値観):「SANBISHI × SMILE」として、挨拶(Salute)や仲間(Mate)、アイデア(Idea)など、笑顔の循環を絶やさないための行動指針を策定されました 。
この指針は、役員・幹部クラスの古参社員を招集した会議体で、会社の歴史や強み・弱みを紐解く(SWOT分析)作業を通じて作成されました 。
- 全従業員との個人面談(1on1)の実施
代表就任の前後に関わらず、全従業員(役員・パート含む)を対象に、年2回の個人面談(1on1)を実施されています 。これは、代表自身がすべてをさらけ出し、従業員一人ひとりの大切にしていること、夢、不満、不安を深く理解するための取り組みです 。この結果、長年の古参社員が「橋本くんについていく」と宣言するなど、良好な労使関係が築かれ、若手社員も面談を楽しみにするほどになっているとのことです 。
- ルール・制度の整備と未来ビジョン
承継までの一年間で、就業規則の再編や総務部署の確立、コーポレートマークの作成など、組織の土台づくりとブランディングを推進されました 。
未来ビジョンとして掲げられたのは、「楽しく笑顔で働いてほしいだけ」というシンプルな願いです 。それを実現するための行動の考え方として、「やらなければならないこと」「やれること」「やりたいこと」の3つ(3Y)を提示されました 。そして、「やりたいこと」を「やれること」にし、それが誰かのために「やらなければならないこと」へと繋がる仕組みを、多角的な事業を活かして構築する構想を熱く語られました 。
- 参加者の学びのポイント(アンケートより)
ご参加いただいた皆様からは、橋本氏のバイタリティ溢れる行動力や、従業員と真正面から向き合う姿勢に多くの共感が寄せられました 。本日の報告から特に学びとして持ち帰るという声が多かったポイントを整理します。
- 従業員とのコミュニケーションの重要性
最も多くの参加者が持ち帰りのポイントとして挙げたのは、労使関係構築の重要性です 。
- 「従業員とのコミュニケーションの大切さ」を再認識した 。
- 「従業員の声をきく重要性」、そして「社員と腹わって話せる会社づくり」をしたい 。
- トップダウンではなく、「従業員としっかりとコミュニケーションをとりながら進める姿勢」に感銘を受けた 。
- 経営指針の明確化と浸透
橋本氏が作成された具体的でわかりやすい経営指針と、それを浸透させるための行動が、学びとなりました 。
- 「経営指針の考え方、取り組み方」を持ち帰りたい 。
- 「ビジョン、ミッション等が具体的でわかりやすく参考になった」 。
- 「楽しく笑顔で働いてほしいだけ」、そして「笑顔で」という理念に共感した 。
- 「経営において大切にしたいことに対してブレないこと」の重要性 。
- 「やりたいこと」を実現する行動力と覚悟
「やらなければならないこと」「やれること」「やりたいこと」の3つの要素を繋げる橋本氏の考え方や、チャレンジ精神が参加者の背中を押しました 。
- 「①やらなければならない事、②やれる事、③やりたい事」の考え方 。
- 「やりたいこととやるべき事を繋げる素」として、「チャレンジで不安を消す」という姿勢に感銘を受けた 。
- 報告を聞いて、「(報告内容を)会社で実践して実行したい」と感じた 。
ご報告いただいた橋本社長、誠にありがとうございました。
今回の学びを活かし、皆様の会社でも「笑顔の循環」が生まれることを願っております。