第2回未来へのバトンタッチのためのプログラムセミナー「事業承継の抑えておくべきポイント」

「未来へのバトンタッチのためのプログラムセミナー」第2回報告

 

9月27日(火)19:00~より「未来へのバトンタッチのためのプログラムセミナー」の第2回を尾鷲商工会議所にて開催しました。

本セミナーは、中小企業・小規模事業者において経営者の高齢化が進む中で、「事業の承継」を親族・第3者への事業承継や事業の譲渡・売却・統合(M&A)、また廃業を含めて、それぞれ概念や仕組み・手順などの理解を深め、中小企業・小規模事業者における事業の承継の準備や課題を、規模や法人・個人事業者の違いを踏まえて整理し、東紀州地域における事業承継を促進するとともに、地域の雇用と経済を守る企業の存続を支援することを目的として、三重同友会尾鷲グループと地域の金融機関である紀北信用金庫の共催にて全4回にわたって開催しております。

第2回となる今回は、「事業承継の抑えておくべきポイント」をテーマに(株)事業承継アドバイザー代表取締役 伊藤隆 氏を講師に迎えてご講演いただきました。

伊藤氏から冒頭に、事業承継のスタートは受け渡す側の現社長から積極的に動き出さなければ動かないという注意が促され、経営者のリタイア後のライフプランを考えること、そして事業承継は相続にも関わることが多いため、準備は早いほど望ましいと推奨されました。

事業承継において一番のテーマになるが株式の移動で、非上場株式の移動方法について①譲渡、②贈与(暦年課税)、③贈与(相続時精算課税)、④事業承継税制の4つが示され、それぞれの概要について説明いただきました。事業承継の前提条件として継ぎたくなる会社(M&Aでいえば買いたくなる会社)であることとして、安定した「利益が出ている」「税金を払っている」「内部留保がある」「借入が多すぎない」「粉飾されていない」「公私混同がない」ことなど確認した上で、決算時に株価をしっかりと算出確認することがポイントとして挙げられました。

特に今回は内部留保がある会社の場合を例として、株価引き下げ対策と事業承継税制の活用事例を伊藤氏が担当したケースを参考に具体的な手順やプロセスについて説明いただき、事業承継税制については2018年からの時限立法でありメリットも多い反面、手続きが煩雑で会計事務所がすすめないことを背景にあまり活用が広がっていないことも紹介されました。

また伊藤氏からは事業承継をきっかけに経営者と後継者との対話を深め、会社の「過去」「現在」「未来」について語り合い、中期計画を作る機会につなげてもらいたいと提案いただきました。そして株式をはじめとした資金だけでなく組織の継承を図っていくためにも、後継者のブレーンを作ることも必要であり、後継者の育成についても経営者教育や資金調達の経験なども積んでいく必要があるため、できるだけ早く取り掛かることを推奨されました。

今回は後継者がいる場合を中心に説明いただきましたが、次回は10月25日(火)19:00より「親族承継と第3者承継【外部・M&A】との違いと準備すべきこと」をテーマに、後継者がいないケースやM&A(売り手・買い手)の場合のポイントについて説明いただきます。

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