『時代の転換期を乗り越える』~実践から学ぶ経営指針と変革~ 北勢支部7月例会

7月13日(火)18:45より北勢支部7月例会をプラトンホテル四日市にて開催いたしました。

今回は長年にわたり経営計画書を作成し、取引先等の関係企業などへも発表されている(株)ハヤシヤ商事の小林社長を報告者としてお招きし、『時代の転換期を乗り越える』~実践から学ぶ経営指針と変革~をテーマに、インタビュー形式で同友会が薦める経営指針書が会社にもたらす効果や社外的な影響、また帽子屋から商品転換し、事業の変革を行った際の状況などをお話しいただきました。

インタビュアーからの質問は、①経営指針書(経営計画書)について ②事業の変革について ③人材について ④財務について の大きく4点で進められました。

経営指針書の取組ついては、三重同友会設立して間もなく1987年に開催された「経営理念・方針作成研修会」への参加をきっかけに作成に取り組み、社員のみんなで一緒の方向を向く、会社の事への理解を深めてもらいたいとの想いから1990年に社内で第1回研修会を実施されました。店舗スタッフ・営業スタッフと形態の異なるスタッフが同じ会社の仲間としてお互いの理解を深める機会となりました。当初はB5用紙1枚の簡単なところから始められた経営指針書は、継続して取り組み続ける中で試行錯誤を繰り返し、経営理念・経営姿勢・フェイスシートをはじめ全社・部門ごとの経営計画、一人一人の個人目標までをまとめた社員とともに作り上げる経営指針書へと発展しています。肝心なことはまずは仏(場)をつくって魂(想いと実行性)を入れること、そして実行可能性のある目標を立てて達成感を高めていく(垂直飛び経営)ことであると、小林社長は自らの実践を振り返ってご説明いただきました。

事業変革についての質問には、自社の取り巻く環境は変わっていくものであり、その変化に合わせて事業は変えていくのであるとの考えを示され、事業変革は必然として経営者が変化を読み解く情報を集め分析し社員と共有する。そのための能力を経営者は磨き続ける必要あります。変化の激しい今日では、中小企業のフィールドもいつの間にか大手企業と同じところに変わっていることもある。変化に対して、またそうした変化の兆しをキャッチする能力の大切さと意識し続けることの重要性を様々な事例を交えてお話しいただきました。

人材については、右腕となる人材をいかに見つけるかとの問いに、右腕は探しても見つかるものではなく、人間性を重視した採用と社員に任せる(権限移譲)中で人が育ち、考えを理解してくれるスタッフを増やしてこられた歩みをご紹介いただきました。

また財務いついては、損益計算書と貸借対照表は会社の通信簿と健康診断書と表現され、自社の財務分析できるだけの基礎知識は経営者にとって不可欠であり、自社の財務状況をオープンにすることで社員にもコスト管理意識が醸成され、惰性的継続経費の見直しにつながった事例を紹介いただきました。また銀行との関係づくりや付き合い方についても、自らの体験と実践をお話しいただきました。

最後に同友会は異業種交流であり、唯一経営学習専門の場である。同友会で学び、やれることから実践し、これを継続していくこと。学ぶことは真似ることから始まる。まずは一歩踏み出し、行動することを参加者に呼びかけられました。

同友会が運動としてすすめる経営指針書の重要性や私たちが今やるべき変革のために、まずは行動の一歩を踏み出し、「今日より明日はもっと最高」になるよう継続していくことの大切さを再確認できる例会となりました。

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